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ソクラテス自身が書いた書物は存在しない?

2016年09月10日 - カテゴリ:人物伝
ソクラテスという名前を聞いたことがない人はおそらくいないだろう。それだけ有名な哲学者である。

しかし、ソクラテス自身が書いた書物が存在しない、という事実を知る人は意外と少ないかもしれない。

ソクラテスは、紀元前470年に生まれたギリシアの哲学者である。彼は存命中、多くの人間に影響を与えたが、ついに自身の思想を書き著そうとしなかった。そこで、ソクラテスに影響を受けた人物のうち2人がソクラテスの思想を後世に伝えようとソクラテスの言葉を書き著した。その2人の人物とは、クセノフォンとプラトンである。

クセノフォンの名前はあまり有名ではない。文章を書くことを好んだクセノフォンは、ソクラテスの言葉を書き記しはしたが、彼自身哲学者としての研さんを積んでいなかったため、ソクラテスの精神を伝えるには成功していないという。

もう一人は、プラトンである。プラトンは有名な哲学者であるが、彼はソクラテスの存命中は弟子として修業し、ソクラテスの死後はソクラテスの言葉や思想を後世に残すためにその人生をささげた。

プラトン自身、優れた人物であったので、ソクラテスの精神を文字で表現することには成功した。

しかし、プラトンは、アカデメイアを設立し、学問の権威となってからは、むしろ自分の思想を広めるためにソクラテスの名を利用したという。そのため、プラトンが書いた書物のソクラテス像は、果たしてそれが真実なのか、それともプラトンの創作なのか、判別し難いところがある。ただ、これはプラトンに限らず、古代の偉人に共通する問題点であろうと思う。

ソクラテス像を知るには、上述した2人が残した著作以外にも資料がある。例えば、喜劇作家アリストパネスが発表した『雲』がある。他にも、古代の哲学者・思想家の著作にも、断片的にソクラテスについて言及する箇所がある。

ソクラテスの書いた著作は存在しない。それは、ソクラテスの信条でもあったわけだが、そのために現代にいたるまで様々な論争が起こっている。逆に言えば、書物を著さなかったからからこそ、人の知的好奇心を引き付けてやまないのかもしれない。自分自身で何も著作を残さないのに、多くの偉大な哲学者から言及されるわけである。

現代風に言えば、「口コミで広がった」であろうか?う~ん、「口コミ」に参加する人々が偉大過ぎる…。

参考資料:
ポール・ジョンソン、中山元訳、『ソクラテス われらが時代の人』、日経BP社、2015




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