池上彰の新聞勉強術

2013年02月10日 - カテゴリ:本・書評
今日、「池上彰の新聞勉強術」という本を衝動買いしてしまいました。

ですが、これが思わぬ拾い物となりました。さすがは池上彰、今までこの著者の本で外れに当たったことは、一度もありません。かといって、池上彰の著作を全て読んだわけではありませんが。

この本は、まさに本のタイトル通り、新聞を使って勉強する池上彰流の方法を紹介するものです。ただ、単なるハウツーに止まるわけではなく、新聞記事の裏側について、元新聞記者ならではの視点から解説しています。そして、その解説はとても分かりやすく、具体例に富んだ見事なものです。

本全体を通じて著者が主張しているのは、「複数の新聞を購読しよう」というものです。その理由を端的に言えば、同じ事柄でも、新聞の立場によって、内容や記事から受ける印象がかなり異なるからだ、というものです。そして、同じ新聞のみをずっと継続して購読すると、知らないうちにその新聞の思想に染められてしまうことになり、それは「メディア・リテラシー」の観点からとても危険だ、と説いています。

私もそういった思想の偏りに関する危険性を感じていましたが、この本を読むことで、よりはっきりとその問題点を知悉できたように思います。

また、漫然と新聞を読んでいるだけでは気づかない、新聞業界の裏側や、新聞構成、記事の深い読み方、新聞記者の表現方法などにも触れており、新聞をより深く、賢く読むために必要な知識を惜しげもなく披露してくれています。池上彰独特の鋭い指摘も読みごたえがあります。

面白かったのは、本の最後に結構ちゃんとした索引がついてあるということです。こういった本で、しかも文庫本(私が購入したのは文庫版です)で、索引まで充実しているのはなかなか目にしません。学術書のようなものでも、ときどき索引がついていない本を見かけることがあります。「索引がついていない本は不完全だ」とまでは言いませんが、私は索引がついていない本を見ると、とても残念に思います。しかし、この本は、文庫本であるにもかかわらず、ちゃんと索引がついています。そういう意味で、さすが池上彰、情報の大切さ、検索性の重要さを熟知しているな、と感じました。

私が買った文庫版は、600円(税抜)でした。この値段で、この内容は、とても贅沢です。この本を買った後に、息子にせがまれて買った絵本は、900円しました。もちろん、それぞれタイプが違う本ですので、本の優劣に言及するわけにはいきませんが。

池上彰の新聞勉強術 (文春文庫)