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アインシュタインに関する著書、あまりにも酷い翻訳が発覚

2011年08月01日 - カテゴリ:翻訳
アインシュタインに関する著書で、「アインシュタイン その生涯と宇宙」(ウォルター・アイザックソン著)の下巻の翻訳がとてもすごいことになっているらしい。

einstein_translation_convert_20110802002215.png


オンライン書店のアマゾンのコメントで明らかになったものだが、どうやらそのひどい翻訳の部分を担当していた某科学系翻訳グループが機械翻訳とも考えられるような訳文を送ってきて、それが出版されたものであるらしい。

編集部では、翻訳があまりにも酷いのを認知しており、修正を施したが、やはり全てを修正するには時間が足らず、商業的な理由もあり、出版してしまったとのこと。

なお、上記コメントを出したのは、上巻の一部の翻訳を担当した松田さん。

以下でコメントが読めます。↓


アインシュタイン その生涯と宇宙 下

プロフェッショナルとして、こういう出版社の不手際を社会に発信する決意をした松田さんに敬意を表したい。

ただ、やはり同じ訳書に翻訳者として名前を連ねている以上、上記の翻訳が自分の翻訳だと誤解されてしまっては困る、という思いもあったのかもしれない。

出版社は、某科学系翻訳グループの名前を公表すべきだと思う。上記コメントの内容から察するに、訳書にもこれらグループの名前が記載されていない可能性がある。これほど名誉を損なわれた出版社は、某翻訳グループを訴えてもいいではないか、とさえ思う。ただ、監督責任を放棄してしまったところに関しては、監修および出版社の責任は免れないのかもしれない。

私はニュースでこのことを知ったのだが、上記コメントに書かれている内容を見てみると、本当にひどい。他の方もコメントで原文と訳文との比較対照をしているが、よくこれほどひどい訳文を出版する気になるものだ、と愕然とした。

面白いのが、出版社が当該訳本を回収すると知った中古業者さんの反応が早いこと(笑)。私が見た時では、中古品の価格は\8,400だった(ちなみに、新品価格は\2,100)。

翻訳や通訳というのは、本来、裏方のような仕事なので、あまり表舞台に出るのは良くないと考える。そして、翻訳が取りざたされるのは、大体、悪い翻訳が出た時だと思う。今回の件も然り。

素晴らしい翻訳が存在するのは確かなのだが、翻訳が素晴らしければ素晴らしいほど、読者が不自然さや違和感を感じることなく原書に入り込めるので、あまり目立たないようだ。また、すごいベストセラーの作品でも、翻訳と原書を読み比べると、結構翻訳者の幻想が多分に入っていて、原書の精神を正しく伝えていないこともある。

本当に良いのは、原著を読むことだが、母国語でない本を読むのは、不可能ではないにしろ、母国語の本を読む場合と比べ、多大な時間と労力を費やさなければならない。ただ、本当に好きな本に出会ったのならば、原著に当たることをお勧めする。

今回の件では、おそらく機械翻訳で訳された文が出版されてしまったと思われるが、今回の騒動で、逆に実力のある翻訳者の評価が上がったのではないか、とも思う。近年、機械翻訳の技術が進み、また、英語が使える人が増えてきており、それに伴い、翻訳者を目指す人も増えてきているように思う。翻訳者の仕事が減るのでは、という危惧さえあったが、やはり翻訳とは特殊な技術であることが世間に明らかにされた。

現在の機械翻訳の技術でそもそも読めるような段階に仕上げるのは不可能であるし、英語が使えるからといって、翻訳ができるというわけではない。TOEICで900点とれた、などというのは、おそらく英語が理解できることを評価するだけの話で、翻訳技術の必要条件を満たしている証左とはならないのだ。そして、TOEICなど受けていなくても、素晴らしい翻訳を仕上げることができる人もいるわけだ。

編集部の方々も、怪しげな「某科学翻訳グループ」の類には注意されたい。

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